新年明けましておめでとうございます。
今年は平田寺に西国三十三霊場の観音様がお祀りされて三百年という節目の年です。
先代中島住職が昭和四十九年に書かれた手記が残っています。
「享保五年・六年の二年続いて、江戸には大火がありました。
地元(九之坪)の人々は、くらしの無事を祈り、
享保八年(一七二三年)平田寺六世了堂嘉哲和尚と相談し、
三十三体の観世音菩薩をお祀りすることにしました。
近年になって、お堂の雨漏りで観音様は破損し、その数も二十五体になってしまいました。
新命住職としては、何をおいても、篤信の方々のご理解により、
破損している物は修復し、無くなってしまった八体は新たにお作りし、
三十三体の観音様がお揃いなったところで、往時の人々の祈りを込めて開眼供養をしたいと願っています」
そののち昭和五十五年、平田寺だけではなく
瑞雲寺・観昌寺・松元院・寿宝院の檀信徒、縁者の皆様のお力添えもあり無事修復、開眼法要も行われました。
三〇〇年という長い間、どれ程たくさんの方の祈り・願いが込められてきたのでしょうか、
そう思うだけで心が一杯に満たされてきます。
今年の干支は『癸卯みずのと うさぎ』です。
「癸 キ」という字は、「揆」と同じ文字で、物事をはかるという意味があります。
また「計る」には標準や原則が必要です。
ですから「癸」が示すところは、あらゆることに筋道を立てて、
はかる・考える・処理をするという意味になります。
ところが、その筋道を誤る・無くすと、物事は自然に混乱し、
その結果ご破算にしなければならないようなことになります。
むかしの百姓一揆など、庶民が支配者にたいして抵抗・暴動を起こすことを「一揆」といいますが、
元々は「揆一キイツ…原理・原則・大切なことはいついかなる時代・ところにおいても変わらない、
揆は一つである」をひっくり返して使われた言葉で、
支配者が道を失った時に自然発生的に起こる行動を文字をさかさまにして「一揆」と使い始めたようです。
「卯」は、ボウと読み、冒または茅・茆と同じ意味があります。
これは陽気が発作的に起こり、草木でいうなら、芽や葉がしげるということになり、故に卯は茂に通じます。
卯はもともとは兎ではなくて、いばら・かやという文字です。
また、卯の字を分解的にみると、真ん中の二本の縦線は門柱、両側は門扉を開いた形、
すなわち今まで手をつけていなかった未開地への扉を思い切って開く、
勇気をもって混乱した諸問題に取り組むことを表しています。
そこで癸卯という干支の年は
「すべての物事は筋道を立てて処理・対応してゆけば、繁栄に導くことができるけれども、
筋道を誤ると、こんがらがっていばらやかやの中を進むがごとくとても困難で、
その結果、混乱・動乱あるいは破壊につながる」という意味になります。
コロナウィルスの問題が始まってまる三年。
すでに世界中のほとんどの国々でブースター接種を推奨せず、
コロナ禍前の状態を取り戻しているにも拘らず、
日本では第六波(令和四年一~三月ごろ)以降、感染者はどんどん増え、今や世界トップの感染者が出ています。
「過ちを正すに、はばかることなかれ」そろそろこの国のコロナ対策の抜本的な改革と
一人一人の意識の変化が必要な時と衷心より思っているのですが・・・
今年こそ皆が笑顔になりますように。
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